そろそろかなあと思ったりしている。

　最近は息子の写真が減ってきている。撮らせてくれないからだ。生まれてから数年はずっと抱っこしてて、2ショット写真を暇さえあれば撮っていた。年に数千枚、1万枚を超えた年もある。スマホでデジタルに際限なく撮れるということもあるが、たくさん撮りたかったし、毎日が発見の連続だったから、今これをここで撮らねばという思いも強かった。それに、抱っこされている息子との時間で、2ショット写真を撮る以外にできることなんて限られていたのだ。

しかし、最近は撮るなと言ってくる。撮るなと言われればもう撮れない。それに、23kgになった息子を膝の上に抱っこして座らせておくのはもうしんどくなってきている。

　写真の数は減った。それでも一般的な父子関係としては密接な方だと思う。平日は息子を朝夕と保育園に送り迎えをする。雨天時や体調不良の時を除けば自転車で二人乗り。片道4kmの道のりを行って、帰って。始まった時は5年もこれをやるのかと思ったものだが、それもあと2ヶ月半。50回を切った。それが終われば小学生だ。朝は息子一人で出かけていくことになる。それだけじゃない。小学生の息子を自転車の後ろに乗せることができなくなる。何という喪失感かと今から想像する。子供を乗せるための自転車、普通は7万円ほどするものを中古で1万9千円で見つけて購入した。前後のタイヤはもう3回ずつ交換した。交換するたびに違う色に変わって、今度は前が白やねえと息子が喜んだりした。独身だったら絶対に買うことがなかっただろう子供乗せ自転車。春になれば後ろの子供シートを取り外すだろう。切ないな。とても切ないな。

　故郷の兄は娘（僕の姪）が先日成人式を迎えた。僕が帰省したときにもバイトや遊びや学校でほとんど家に寄り付かない。息子（僕の甥）は今度受験で、地元を離れる学校ばかりを受けるらしい。受かったら家を離れる。兄、寂しいだろうな。だがそれが子供の成長だ。嬉しくないはずがない。でも寂しいだろうな。それに比べればまだまだ一緒に暮らすわけで、寂しいなんて言ってる場合ではないはずなのだが、寂しくはなくともちょっと切ない。