河井前法相と妻の杏里氏が逮捕された。推定無罪の原則はどんな時も適用されるべきだと思うし、刑が確定するまでは罪人扱いするのはおかしい。法治国家の基本である。しかし、彼らの選挙時の行動については多くの公人が証言しているそうで、それから類推するならば、無罪で終わる可能性は著しく低い。安倍官邸が検事長を無理矢理定年延長させ、その後検事総長に就けようとしていたというが、それも完全に無くなり、黒田元検事長とは意見も立ち位置も違う人が検察のトップになることが確実な今、よほどのことがなければ河井夫妻の有罪は免れないのではないだろうか。今後の成り行きを見ていきたいと思う。推定無罪の原則のもと、見ていきたいと思う。

それはさておき、今日のトピックは須藤元気だ。立憲の比例区から当選した参議院議員の須藤元気が離党することになった。正確には離党届は受理されず、議員辞職を迫られているという。それは東京都知事選で立憲として支持している宇都宮健児ではなくれいわの山本太郎を支持すると宣言したからだ。

比例で当選した議員の議席は誰のものなのか。離党したことで即議員資格が失効するわけではなく、残り任期の間は無所属でいなければならないとのこと。須藤元気を特別応援しているわけでもないし、彼が失職しようが無所属で任期を全うしようがどうでもいいが、多くの立憲支持者が「離党するなら議席を返してね」と言ってて、面白いなあと思う。もしも須藤元気が議員辞職したら立憲の次点が繰り上げ当選するのだが、その場合市井紗耶香だぞ。それでいいのか。立憲のファンはそれでいいのか。市井紗耶香はすでに政治家にはもうならないと発言しているので、その場合はさらにその次のラグフェアだぞ。それでいいのか。組織を裏切ったヤツよりも市井紗耶香でいいのならそれでもいいけど、それじゃ単なる数合わせでしかないじゃないか。それよりもまず、須藤元気の話を聞けよ。

泣きながら話していた。「消費税減税とかそういうこと言うなとか。何が言うなだよ。いいじゃないですか言ったって。」須藤元気は超党派でおこなっていた消費税減税の勉強会にも積極的に出ていたという。

いいじゃないか。泣きながらの訴え。「世代交替したい。上の人たちには引退して欲しい」

選挙制度はさまざまな理由で今の形になっているけれど、完璧な形にはなっていない。そしてそういう中で須藤元気も他の立憲の候補たちよりも多くの票を集めて当選をしてきている。その彼が思うところに従って意見を形成し、それを党に持ち寄って議論をする。それで党内で通らないのならまだしも、執行部から特定の意見について注意されるって、一体どういうことなんだろう。

この須藤元気の涙ながらの会見を見ると、わりと多くの人が須藤元気の肩を持つだろう。そうなると立憲は追い込まれる。政策がどうとかいう話とか選挙制度がどうとかいう話より、日本人はお涙ちょうだいに弱い。泣いて訴える若い人とその若い人を頭から抑えようとするエラい人の、どちらにつくかは火を見るより明らかだ。立憲は早急に和解に動かなければ大変なことになるだろう。個人的には和解できずに大変なことになってしまって立憲の支持者が減った方が日本のためだと思うが、立憲民主党の勢力拡大が日本のためになると思っている人であっても、早く須藤元気と和解した方がいいという点は変わらないのではないだろうか。

れいわの山本太郎が先ほど都知事選に立候補した。その会見をライブ中継で見た。

今回山本太郎は立候補しないだろうと思っていた。なぜなら彼は国政において力を発揮すべきだし、そのためにこれまで注力してきたからである。

そして、今回都知事選に出たところで、勝てる見込みはない。参院選で2人を優先順位にして、政党として3人目が当選するなら彼も当選するという枠組みで戦った、その時以上に無謀な勝負になるはず。だから、立候補はしないと思っていた。

また、立候補すれば先に立候補を表明していた宇都宮健児氏と、彼に期待をしていた非自民の国民（敢えて、都民ではなく国民）（国民民主という意味ではない）の反発を食らう。それは彼の今後の闘いに於いてもけっして得策ではない。

だが、立候補した。

ネットには「もう今後はれいわを応援しない」という言葉が並ぶ。同時に「左翼がお得意の仲間割れをしてるよwww」という右派の人たちの熱狂のような言葉も並んでいた。

その中である人のツイートが印象的だった。「共産党から出馬断念を説得された。」「石田さんは石田さん、古賀さんは古賀さんなりに」「人生を懸けて決断したと思うんです」「野党の皆さんは候補者のことを何だと思っているんだ」という4枚の写真。4年前の宇都宮健児氏の記者会見の一節である。

今回の都知事選、前回あれだけ争った小池百合子と自民は協調姿勢だ。二階俊博が「応援する」と惜しみないラブコールを送っている。なぜか。勝てないからだ。それを見て思うことがある。京都市長選挙だ、京都府知事選挙だ。出陣式には自民の重鎮と国民民主の前原誠司と立憲の福山哲郎がずらりと並んでいる。さまざまな理由があるのだろう。だがその光景は国政で自民対非自民であれほど舌鋒鋭く論戦しているのに、地方自治体の首長選では同じ陣営として仲良く並んでいる。そこに白けたものを感じるのはどうなんだろうか。諸々事情があるのは理解した上で、やはり釈然としない。日頃の国会論戦が白けて見える。誰が誰の側にいて、誰が自分の側を代表してくれているのか。

そこに、れいわである。山本太郎である。彼は京都市長選でも現職のオール与党体制とは逆の側に立って何度も京都入りしていた。結果は勝てなかったけれども、非自民の立場を変えることは無かったし、懸命にその立場を死守し、その立場の声の代弁者としてのポジションを明快に示した。その彼が、今度は東京都知事選に出るという。

会見で彼はここまでの裏事情を一部あきらかにした。野党統一候補として打診されていたという。その条件として無所属で出るということがあった。彼はれいわの代表だ。それが諸々の事情で無所属になる。それは受け入れられなかったそうだ。だかられいわの代表として統一候補として調整して欲しいと打診した。しかし、その調整には時間が無いと突っぱねられた。「新党を作るときは1日で調整ついたのにね」と笑いながら語っていた。また、今回の立候補について様々な経済対策を打ち出している。そのいくつかについても統一候補の条件として挙げたそうだ。しかしそれも調整に時間がかかると。「この非常事態に経済対策の調整ができないと最初から渋るということは、それはもうやる気が無いというのと同じ」だと切り捨てる。

それで、都知事選に出馬することになった。出馬したところで勝てる見込みがどのくらいあるのか。また山本太郎が出ずに宇都宮健児だけの出馬だったら勝てる見込みがどのくらいあるのか。冷静に考えればたとえ宇都宮健児だけでも勝てる見込みは低い。それならば野党側の多くは何に怒っているのか。政党としてのメンツか。主導権争いで思うようにいかなかったことへの不満なのか。その思うようにというのは一体何なのか。

それは、議席数で与党に圧倒的に差があって、いくら抵抗したところで、いくら威勢良く政府攻撃をしたところで重要法案を1つもひっくり返せないのに、俺らはこんなに頑張っているんだというポーズのことなのではなかろうか。そういう「野党が頑張っているんだぜ」というポーズを示すことができれば野党の仕事をしていることになる。そんなカッコつけが、できなくなる。だから、立憲は不満なのではないだろうか。

昨年だっただろうか、解散風が吹きそうになった時、山本太郎は「野党の選挙協力には大きな政策の柱が必要。それは消費税を5%にするということ。れいわは消費税廃止を訴えているが、そこまで歩み寄れとは言わない。お互い妥協できる範囲として5%を掲げたい。そこは譲れない線だ」と語った。ずいぶん妥協するんだなと個人的には思うが、現実的にはそのくらいにまでしなければ歩み寄れないだろう。選挙協力をすることになればれいわの選挙区候補はほとんど出せなくなる。それでもいいと選挙協力を訴えた山本太郎だ。なのに、立憲は消費税減税にはまったく消極的だった。具体的な話など一切できなかったのではないだろうか。

その後の立憲と国民民主との合流話でも、立憲が提示した合流案がすべてで、合流後の人事についてもすべてを立憲が牛耳ろうとしていたらしい。それでまとまるはずがない。そういういくつかの出来事を見ても、立憲が本当に自民党に対抗できる野党集団を作り上げたいとは思ってないのではないかという推論は容易にできる。今回の宇都宮健児氏についても、立憲が擁立に動いたわけではない。山本太郎に打診したそうだ。しかしその後の衆院選での消費税5%など論外ということで流れた経緯があるという。その結果山本太郎で野党統一候補ということにはならず、宇都宮健児氏を推薦だかなんだかという形で後押しする形になったらしい。

そこで山本太郎がどうするのかということで、僕個人は立候補はないだろうと思っていたのに、立候補することになった。彼自身、都知事に当選するなどという見込みはかなり薄いことはわかっているだろう。それでも立候補する。なぜか。これは「このまま野党統一を実現しないでいると、次の衆院選でも同じことになりますよ」という一種の脅しだろう。そりゃそうだ。すでに100人規模で選挙区に擁立するということは言っている。立憲の選挙区候補がいるところにれいわが立てばどうなるか。れいわとしてはその擁立によって比例区の票を積み上げることができるので、不利益はほとんど無い。しかし立憲は選挙区の票が割れるので、ギリギリで当選してきた人が落選する可能性が高まる。野党票が割れれば惜敗率の点でも不利になる。復活当選も厳しくなる候補が増えてくる。これは怖いはず。そもそも立憲という政党は2017年の衆院選で前原民進党が衆議院の擁立をせずに希望の党に抱きついて選挙を戦うという方針を決めた時に、諸事情で立候補できなくなりそうな人たちを救う互助会的に生まれた政党だ。選挙が危ないとなれば急速に動いていく人たちであるはずだ。だとすれば、「野党共闘をしなければこうなりますよ」ということをより具体的に示しておくことはとても重要だ。そのために、山本太郎は東京都知事選に立候補したのではないだろうか。

アベノマスク。、届きました。

アベノマスクを全戸にお届けで一体いくらかかるのかという話題で思い出すのは、河合杏里の対立候補関係者の言葉「全戸に何度も政見ビラを入れてた。一体いくら金あるんかと驚いた」だった。ビラを広島だけに数回のポスティングでですよ。怪しげなポスティング業者のおっちゃんが撒くのではなく郵便局職員が配布、しかも日本全国津々浦々ですから。そりゃお金かかるよ。でもこの悠長さ。発表から2ヶ月ほど。こんな悠長さで政見ビラを配っていたのでは選挙終わりますな。落選ですよ。ま、カネ使いすぎて配りすぎて当選したはいいものの失職寸前とか、仮に失職免れても次の立候補は無いわなとなるよりは、素直に落選しといた方が捲土重来の目もあるというものです。

長かった休校も終わりましたが、この間に「学校を9月入学にすべき」とか言ってた人の何を寝言言ってるのだ感がおかしかった。留学して国際人になるためには4月入学ではダメとか言ってるけど、その留学して国際人っていうのは自ら道を切り開く、日本になど頼っていてはこの先未来はない的な趣旨が88%くらいに感じてたけど、国に制度を変えていただくことに期待している時点で頼りっきりじゃんと思います。そもそも、日本の学校で学んで日本の卒業資格を得てから国際人とか。日本に依存してる証拠。知り合いの国際人たちは最初っからインターナショナルスクールですよ。聞くと、日本の教育システムとは完全に別なので、小学校卒業でさえないらしい。それでも親は平気なんだとか。国際人だから。うん、訳あって日本で暮らしてる国際人が日本の教育システムに依存する訳ないのでしょうね。

そう考えると、日本人が海外で日本人学校に通わせるのってどうなんだろうとか、日本で暮らす外国人が日本の小学校に通わせてるのはどうなんだろうかとか、いろいろ考えさせられます。まあ、人それぞれ考えがあるわけですから、どれが正しいということでは無いですね。だ、たそう簡単に9月入学になど無理ですよ。やるのなら0歳児の学齢カウントを12年かけてずらしていくしかない。そうしないと、今の幼稚園保育園に通ってる子どもたちの一定数80万人ほどが「年長組さん」としての成長過程を失うことになるわけで。そんなの、発達のために良くない。一部の留学エリートもどきのために多くの子どもたちの年長組さん時代を奪うのはやめてほしい。そんなに留学したいなら半年待てばいいし、待ちたくないのなら高校を2年半で退学すりゃいいし、制度を変えるのなら、高校を2年半で卒業できる特例を作りさえすればよろしい。そのくらいなら簡単でしょうに。