昨日は一昨日のことを書こうと思ってたけれども時間も気力も無くなり、オッサンってこういうところがダメですね。風邪ひいて、ぶっ倒れる寸前。

　さて、一昨日のことというとやはり国会前デモ。デモを支持する人も支持しない人もいろいろいて、まあそのいろいろいるということが可能であるということは良いことなんだけれども、デモについて揶揄、罵倒する人のまあなんと多いこと。「そんな目的達成できないとわかりきってることをやるバカ」とか、「学生が勉強を疎かにして何をやっているんだ」とか。よくも他人にそこまでのことが言えますね、と思います。

　「目的達成できないとわかりきっている」というのは本当なのでしょうか。安倍晋三のおじいさまの政権は、デモによって退陣を余儀なくされました。あの一例をとってみても、「目的達成できないとわかりきってる」というのは成立しません。デモには効果があるのです。もちろん、デモをしたから全部の目的が達成するのかというと、そんなこともありません。では次の検証。

　「目的達成ができないとわかりきってはいないまでも、かなり達成が難しい」ことに取り組むことをやるのはバカなのでしょうか。うん、安全パイを選んで生きていくだけの人生でいいという人には理解し難いでしょうが、この世の中にはチャレンジという言葉があるのです。チャレンジということによって、人類は前進をしてきました。多くの科学的発見も、地道な基礎研究の繰り返しの上にあり、ほとんどの基礎研究は発見などに至らずに終わります。しかし、その基礎研究がなければ、発見も有り得ないし、人類の前進も有り得ません。達成が難しいことへのチャレンジがなければ、安全パイを選んでいると思われる現時点での当たり前の暮らしさえ、享受することができなかったということを、安全パイ信者の人も理解した方がいいと思います。

　「学生が勉強を疎かにして何をやっているんだ」という揶揄。すごいですね。そんなことを言っている人は大学生時代にどれだけの猛勉強をやってきたというのでしょうか。Twitterでは「そんなに勉強をさせたいのであれば、長時間のバイトをやらなければならないような高い学費を下げさせるべきじゃないか」という発言を見ましたが、その通りだと思います。学生を安くこき使おうとしている企業への糾弾をした方がいいと思います。それに、3年生の半ばから就職活動をさせていることの方が、学生を勉強から遠ざけているのではないでしょうか。

　とにかく、罵倒が多いです。参加者の数について3万人とか12万人とか35万人とか、いろいろな数字が出てますけれども、僕はそんなのどうでもいいと思います。だって、3人いればとても多くのとか、官房長官が言ってるのですから。3万人もいればものすごい数と言って過言ではないでしょう。

　とにかく、若い人というのはいろんなことをやるものです。無茶なことをやる人も、無駄なことをやる人も、いろいろです。そうやってどの世代も大人になっていったわけで、そういうのを上から目線で「若いヤツらのばか騒ぎ」とか言っているのは、もう自分が老害に堕してしまっているということを自覚した方がいいでしょう。もし、大人の知恵を持っていて、若い人が目的達成に対して無駄なことをしているのがもどかしいと思っているのであれば、自分なりの、大人の知恵から生まれる「目的達成に有効な手段」をちゃんとアドバイスするべきです。それができないのなら、黙って見守るしかないでしょう。

　有効な手段をアドバイスすることもなく、罵倒だけをするのは、デモが気に入らないので罵倒してみました程度の、クズ大人ということになってしまうので、やめておいた方がいいです。そこには悪意しかありません。SNSでそんなことを言っている人を見かけたら、自分もそんな悪意に染まってしまう危険性があるので、粛々とブロックしていくことがおススメです。