自分の曲ってなんだろう。自分自身でもよくわからないこの問いに、自分以外が推察して決めるというのはとても困難なことで、責めるわけではないが、そんな推察に答えなど出るわけなかろう、というのが正直なところ。例えば僕のことをある程度知っている人なら、僕のフェイバリットはRCサクセションだというだろうし、概ね間違っていない。だからといって僕の葬式にRCサクセションを流されたとしたら、多分僕は成仏できませんね。僕の葬式にRCサクセションをと迂闊にも考える人のセレクトはせいぜい雨上がりの夜空に程度だろうし、そんなの流されても困ります。ええ、かなり困ります。RCのことをディープに語り合える友人は1人いるけども、その人さえどの曲が1番好きなのかは僕とは違うだろうし、だから、結局はその人でさえ僕の葬式に成仏可能なRCの曲をセレクトするなんてことはできるわけもないのです。

そういう意味では、松田聖子あたりを流しておくのが一番なのかもしれません。同世代の誰もが知っている曲の数々。曲というより、歌かな。もちろんそれも人によって思い入れがそれぞれ違うだろうし、僕と同じ思いでその曲を聴く人など誰もいないはずだけど、きっとおそらく僕のその曲への思い入れも然程深くはないし、だから、参列する人が「ああ、大島はこういうのが好きだったんだなあ」と、紛い物の感情に浸れるという意味で、当たり障りのない無難なチョイスになると思うのです。

僕の葬式には、松田聖子の蒼いフォトグラフを流しておいてください。とはいえ、200歳まで生き永らえる気満々なので、これを読んでる人が僕用の曲のセレクトをすることは、多分不可能なんですけどね。